翻訳と辞書
Words near each other
・ アラデーオ
・ アラト
・ アラトゥルク
・ アラトゥルク区
・ アラトゥルク県
・ アラトケルト駅
・ アラトス
・ アラトラ山
・ アラトリ
・ アラトリステ
アラトリステ (映画)
・ アラド
・ アラド (イスラエル)
・ アラド (ルーマニア)
・ アラド (航空機メーカー)
・ アラド Ar 196
・ アラド Ar 234
・ アラド Ar 234 ブリッツ
・ アラド Ar 240
・ アラド Ar 396


Dictionary Lists
翻訳と辞書 辞書検索 [ 開発暫定版 ]
スポンサード リンク

アラトリステ (映画) : ウィキペディア日本語版
アラトリステ (映画)

アラトリステ』 (''Alatriste'') は、2006年公開のスペイン映画アルトゥーロ・ペレス=レベルテによるスペインのベストセラー小説『アラトリステ』 () シリーズを原作とする初の映画化作品である。
監督はアグスティン・ディアス・ヤネス。ストーリーは、映画化開始の時点で発表済みであった原作5作品の内容に加えて未発表部分までも網羅し、孤高の剣士アラトリステの20年余に及ぶ後半生を1本の映画に凝縮して描く決定版として制作された〔それにもかかわらず、配給会社の意向により制作過程で約1時間分のシーンがカットされた(ファンサイト"capitan-alatriste.com"によるアルトゥーロ・ペレス=レベルテのインタビューより。''La Entrevista Que Arturo Nos Dio'' )。〕。アラトリステ役にはヴィゴ・モーテンセンを起用し、製作費にはスペイン映画史上の最高額となる2,400万ユーロが投じられた〔Alatriste , IMDb.com〕〔Donald Morrison, ''The Pen And the Sword'' , Time Europe Magazine, 2006年5月29日。〕〔日本版プレスシートに「スペイン映画史上最高の制作費」との記載あり。〕。スペインの映画賞、第21回ゴヤ賞(2007年)では、製作監督賞、美術賞、衣装デザイン賞の3部門を受賞〔Premios Goya 2007 elmundo.es〕。
== ストーリー ==
舞台は17世紀のスペイン新大陸発見による黄金時代も終焉を迎え、今やスペイン王国は破産寸前。首都マドリードは失業者で溢れかえっている。この苦難の時代にスペインを統治する国王フェリペ4世は、世襲の属領で豊かな富をもたらすフランドル地方ネーデルラント(低地地方)の中でも、フランドルは「水浸しの土地」という意味を持つ。〕を反乱軍から取り戻すべく、長い戦い(八十年戦争)を続けていた。
1623年、13歳の少年イニゴは、兵士だった父親をフランドルで亡くし、首都マドリードへと旅立った。父の戦友である“カピタン”アラトリステを頼るためだった。しかし。アラトリステの暮らしぶりはイニゴの予想以上に厳しいものだった。カピタン(隊長)という呼称はあだ名に過ぎず、戦地を離れたこの頃は、暗殺稼業で食い繋ぐ有様だった。そんなある日、アラトリステはかつての戦友であるサルダーニャ警部補から、2人連れのイングランド人旅行者を暗殺する仕事を紹介された。見知らぬ殺し屋マラテスタと共に襲撃に向かうアラトリステ。だが、暗殺相手の態度が尋常ではない。腑に落ちないものを感じたアラトリステは暗殺を一旦延期した。実はこの2人の旅行者は、隠密裏にスペイン王家を訪ねて来た高位の英国貴族だったのだ。この一件はアラトリステの戦友の一人グアダルメディーナ伯爵を介して寵臣オリバーレス伯公爵に伝わり、暗殺計画は失敗に終わった。オリバーレスは権力者の関わる事件を伏せるために、関係者たちにスペイン本国から立ち去ることを命じた。アラトリステがイニゴを連れて向かったのは、フランドルの戦場だった。
1635年、フランドルから海路帰国したアラトリステは、オリバーレスからの極秘の指令を受けてセビリアへ向かった。セビリアで公演中の女優マリアの舞台を垣間見ながら、桟敷席の小部屋〔この小部屋の場面に映っている黒服の小男は、登場場面がカットされた宰相の部下オルメディージャ会計官。〕で任務の説明を受けるアラトリステ。大物のスペイン貴族が新大陸から黄金を密輸し、敵国に横流しすることで私腹を肥やそうとしている。アラトリステの任務はその黄金の奪還だった。
この密輸の一件には、かつての暗殺事件の関係者が多く関わり、その中にはイニゴの恋人である美少女アンヘリカも含まれていた。アンヘリカとの関係についてアラトリステと激しく口論し、彼の元を飛び出すイニゴ。無頼な生活を送るイニゴを、遠くから案じ続けるアラトリステ。実はアラトリステもまた、複雑な恋の悩みを抱えていた。アラトリステの恋人である女優マリアはアラトリステとの結婚を望んでいたが、人気女優の地位を維持するために多くのパトロンとの肉体関係を必要としていた。マリアとの結婚は、愛人たちが貢ぐ金による安楽な生活を意味する。誇り高いアラトリステにとってそれは有り得ない選択であり、彼に出来ることはただ、愛の証しとして一本の美しい首飾りを買うことだけだった。
アラトリステとイニゴの恋はどちらも成就する望みのない悲恋だった。慙愧の思いを胸にアラトリステとイニゴは、落日のスペインを象徴する過酷な(西仏戦争)へと赴くのだった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「アラトリステ (映画)」の詳細全文を読む



スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース

Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.